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代の同級会である。
式には両家の親族も教会いっぱいに出席し、よい結婚だった。式のあとの別室での披露宴に移ったが、そこにもまた2人を祝福して下さるお客様が大勢出席いただき、唯々、感謝あるのみ……。殊にM男の場合、里子ということで我が家に育った22年間を、よく御賢察のお客様ばかりである。皆さんの祝辞のうちに、ハイライトの両親への花束贈呈である。
朝から「お父さんは、涙もろい人だけど、今日は泣かない様にしてね」と云ってあるのに、なんだか涙でかすんでいるみたい。新婦の御両親は、ハンカチで目を押えっ放し。私はといえば、前日から「私は絶対泣かないで頑張るワ」と泊まっていたお客様にも宣言した手前、みんなの代表として、この幸せをしっかり見届けなければと思う。
里子としてお預りしていた子供達が、それぞれに良い伴侶を得て、私も里親としてやっと肩の荷が軽くなった。その私にとって今日の結婚式は、里親としての卒業式だと思うのです。今日の私は、晴れ女という所でしょうか、思えば里親登録から25年間、

 

 

 

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